急成長するトランクルーム市場 - 日本における可能性と未来

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急成長するトランクルーム市場|日本における可能性と未来

 

はじめに

近年、日本の不動産業界で注目を集めているビジネスモデルがあります。それがトランクルームです。都市部を中心に店舗数が急増し、個人利用者だけでなく法人需要も拡大している本市場は、今後さらなる成長が期待される分野として、投資家や事業者から熱い視線を集めています。

本コラムでは、トランクルーム市場の現状と成長性、そして新規参入を検討する事業者が知っておくべきポイントについて詳しく解説します。

 

トランクルーム市場の現状

日本のトランクルーム市場は、2001年のキュラーズ第1号店オープンを契機に「品質の良い屋内型トランクルーム」という新時代を迎え、着実に成長を続けています。現在、市場は毎年約10%という高い成長率を維持しており、2030年には1,300億円規模への拡大が見込まれています。

この成長の背景には、複数の社会的要因が絡み合っています。まず、都市部における住宅の狭小化です。東京や大阪などの大都市圏では、住宅価格の高騰により、多くの人々がコンパクトな住空間での生活を余儀なくされています。利便性の高いエリアへの高品質なトランクルーム出店が増えたことで、消費者が受け入れやすい環境が整い、これが需要拡大の大きな要因となっています。その結果、季節用品や趣味のコレクション、思い出の品などを保管するための外部収納スペースへのニーズが高まっているのです。

また、ライフスタイルの多様化も重要な要因です。テレワークの普及により、自宅に仕事用のスペースを確保する必要が生まれ、既存の荷物を外部に預ける人が増加しました。さらに、断捨離ブームやミニマリスト志向が広がる一方で、「すぐには捨てられないが普段は使わない物」を一時的に保管したいというニーズも顕在化しています。

 

海外市場との比較から見る成長余地

日本のトランクルーム市場の成長性を理解する上で、海外市場との比較は非常に示唆に富んでいます。1970年代に米国で生まれたトランクルーム(セルフストレージ)市場は、年平均10%の成長を遂げ、2023年には約430億米ドル(約6兆4,000億円)の巨大マーケットとなっています。米国でのトランクルーム普及率は10%、つまり10世帯に1世帯が利用するまでに広く浸透しています。

この20〜30年においては、カナダ、オーストラリア、英国、ヨーロッパ、香港、シンガポールでも同様の成長率で拡大を続けています。一方、日本の普及率は現在約0.5%程度にとどまっており、米国と比較すると20分の1という水準です。

この大きな差は、日本市場にまだ膨大な成長余地があることを示しています。文化的背景や住宅事情の違いを考慮しても、日本の利用率が現在の5倍から10倍に達する可能性は十分にあると考えられます。つまり、現在数百億円規模の市場が、将来的には数千億円規模に成長する潜在力を秘めているのです。

 

多様化する利用シーンと顧客層

トランクルームの利用シーンは年々多様化しており、それが市場拡大の原動力となっています。

個人利用では、引っ越しの際の一時保管、季節用品の収納、趣味のコレクション保管、相続品の整理など、ライフイベントに応じた様々な用途があります。特に近年増加しているのが、アウトドア用品やスポーツ用具の保管です。キャンプブームやゴルフ人気の高まりにより、かさばる道具を専用スペースに保管したいという需要が急増しています。

一方、法人利用も着実に拡大しています。書類の保管はもちろん、EC事業者の在庫保管、イベント会社の機材保管、飲食店の季節備品保管など、中小企業にとってトランクルームは柔軟な倉庫代わりとして機能しています。特にスタートアップ企業や個人事業主にとって、初期投資を抑えながら事業を展開できる点が高く評価されています。

 

トランクルーム事業の魅力

事業者の視点から見ると、トランクルーム事業には他の不動産ビジネスにはない独自の魅力があります。

第一に、初期投資の回収期間が比較的短いことが挙げられます。既存の建物を活用すれば、大規模な建設工事が不要で、内装の間仕切りと設備投資だけで開業できます。一般的に3年から5年程度で初期投資を回収できるケースが多く、その後は安定した収益源となります。

第二に、管理コストが低いという特徴があります。居住用賃貸と異なり、水道やガスなどの設備管理が不要で、トラブル対応も少ないため、少人数での運営が可能です。最近では、無人管理システムやオンライン契約の導入により、さらに効率的な運営が実現されています。

第三に、景気変動に強いビジネスモデルであることも見逃せません。好景気時には荷物が増えて需要が高まり、不景気時には住居を縮小して荷物を預ける人が増えるという、両局面で需要が見込める特性があります。

 

成功する立地選定のポイント

トランクルーム事業で成功するための最重要要素は立地選定です。適切な立地を選ぶことで、稼働率と収益性が大きく変わります。

都市部では、住宅密集地域で駅から徒歩圏内という立地が理想的です。特に単身世帯や若年層が多いエリアでは、需要が高い傾向にあります。また、マンションやアパートが多い地域では、収納スペース不足を補う形でトランクルームが利用されます。

郊外では、車でアクセスしやすい幹線道路沿いが有利です。大型荷物の出し入れを考慮すると、駐車スペースの確保が重要な要素となります。また、新興住宅地や開発が進んでいる地域では、将来的な需要増加が見込めます。

商業地域では、法人需要を見込んだ立地戦略が効果的です。オフィス街や商店街に近い場所であれば、企業の書類保管や在庫管理のニーズを取り込むことができます。

 

差別化戦略の重要性

トランクルーム市場への参入者が増える中、単なる収納スペース提供だけでは競争力を維持することが難しくなっています。成功する事業者は、明確な差別化戦略を持っています。

サイズバリエーションの充実は基本的な差別化要素です。小型ロッカーサイズから大型倉庫サイズまで、多様なニーズに対応できる選択肢を用意することで、幅広い顧客層を獲得できます。

空調管理や湿度管理などの品質面での差別化も効果的です。特に、衣類や書籍、楽器、ワインなどデリケートな物品を保管したい顧客にとって、環境管理の行き届いた施設は大きな付加価値となります。

また、セキュリティ面での強化も重要です。24時間監視カメラ、個別アラームシステム、生体認証などの最新技術を導入することで、高価な物品を預ける顧客の信頼を得ることができます。

さらに、付帯サービスの提供による差別化も注目されています。荷物の配送サービス、梱包資材の販売、引っ越しサポートなど、トランクルーム利用に関連するサービスをワンストップで提供することで、顧客満足度を高めることができます。

 

デジタル化による業界変革

トランクルーム業界においても、デジタル化の波が押し寄せています。この変化は、事業者にとって効率化とサービス向上の大きなチャンスとなっています。

オンライン契約システムの導入により、顧客は24時間いつでも契約手続きができるようになりました。これにより、事務作業の効率化だけでなく、機会損失の削減にもつながっています。

スマートロックシステムの採用により、無人運営が可能となり、人件費の大幅な削減を実現できます。顧客はスマートフォンアプリで入退室を管理でき、利便性も向上します。

また、ウェブサイトやポータルサイトを通じた集客が主流となっています。SEO対策やリスティング広告、SNSマーケティングなど、デジタルマーケティングの活用が集客効率を左右する時代になっています。専門のポータルサイトに掲載することで、トランクルームを探している顧客に効率的にリーチできるため、多くの事業者が活用しています。

 

今後の市場展望と新規参入のタイミング

トランクルーム市場は、今後も持続的な成長が期待されます。高齢化社会の進展により、終活や生前整理に伴う荷物保管の需要が増加すること、シェアリングエコノミーの浸透により「所有」から「一時保管」への意識変化が進むこと、テレワークの定着により自宅の収納スペース確保の必要性が高まることなど、複数の成長ドライバーが存在します。

年平均10%という高い成長率を維持し、2030年には1,300億円規模の市場に達する見込みです。新規参入を検討する事業者にとって、現在は絶好のタイミングといえます。市場はまだ成長初期段階にあり、地域によっては競合が少ない空白地帯も多く存在します。早期に参入し、地域でのブランド認知を確立することで、長期的な競争優位性を構築できる可能性があります。

ただし、成功のためには市場調査と綿密な事業計画が不可欠です。対象エリアの人口動態、競合状況、アクセス性などを詳細に分析し、適切な投資規模と料金設定を行うことが重要です。

 

さいごに

トランクルーム市場は、社会構造の変化とライフスタイルの多様化を背景に、着実な成長を続けています。まだ成長余地が大きく、新規参入の機会も豊富なこの市場は、今後の日本の収納インフラを支える重要な産業として発展していくでしょう。

事業者の皆様には、この成長市場の波に乗り、地域社会に貢献する事業を展開していただきたいと思います。そして私たちポータルサイトは、トランクルームを探す利用者と、質の高いサービスを提供する事業者の皆様をつなぐ架け橋として、業界全体の発展に貢献してまいります。

トランクルームという選択肢が、より多くの人々の暮らしを豊かにし、ビジネスの可能性を広げる。そんな未来の実現に向けて、業界が一丸となって前進していく時が来ています。

 

トランクルーム開業をeトランクがサポートします。


参考文献

■キュラーズ「トランクルーム市場規模」 https://www.quraz.com/company/market.aspx (2025年11月7日閲覧)

 

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