空きスペースでトランクルーム運営を始める完全ガイド

眠っている資産を収益化する新しい選択肢
不動産オーナーの皆様、所有物件に使われていない空きスペースはありませんか?
地下室、空室、倉庫、駐車場の一部など、活用されていないスペースは実は大きな収益機会を秘めています。近年、都市部を中心にトランクルーム需要が急増しており、個人オーナーでも手軽に参入できる魅力的なビジネスモデルとして注目を集めています。
本コラムでは、所有物件の空きスペースを活用したトランクルーム運営について、その始め方から収益化のポイントまで詳しく解説していきます。
なぜ今、トランクルームビジネスなのか
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|市場の拡大と安定需要
日本のトランクルーム市場は年々成長を続けており、2023年時点で約700億円規模に達したとされています。都市部での住宅の狭小化、ミニマリストブームによる季節用品の保管需要、さらにはテレワークの普及による在宅での書類保管ニーズなど、様々な要因が市場拡大を後押ししています。
特に注目すべきは、この需要が景気変動の影響を受けにくいという点です。不況時には引越しを控えて荷物を預ける人が増え、好況時には趣味の道具やコレクションを保管する余裕が生まれます。つまり、景気に左右されない安定した収益が期待できるビジネスモデルなのです。
|既存物件活用のメリット
新規にトランクルーム専用施設を建設する場合、多額の初期投資が必要になります。しかし、すでに所有している物件の空きスペースを活用、または遊休地の活用などをすれば、この最大のハードルを大幅に下げることができます。
建物はすでに存在し、固定資産税も支払っているのですから、そのスペースを有効活用することで実質的な投資利回りを大きく改善できるのです。
トランクルーム立ち上げの際最も苦労するのが物件または土地の契約のため、それがない分スムーズにオープンまでの手順を進めることができます。
トランクルーム運営に適した空きスペースとは
|活用できる様々なスペース
トランクルーム運営には、想像以上に多様なスペースが活用可能です。
・マンション・アパートの空室や共用部:長期間埋まらない空室があれば、室内型トランクルームとして活用できます。また、使われていない共用スペースや地下室なども候補になります。
・商業ビルの空きフロア:テナントが退去した後、次の入居者が決まるまでの期間や、構造上テナントが入りにくいフロアなどを短期・長期で活用できます。
・倉庫や工場の余剰スペース:事業縮小などで使われなくなった倉庫スペースは、トランクルームに最適です。広さがあれば複数の区画に分割して運営できます。
・駐車場の未使用部分:立体駐車場の一部や、屋外駐車場の空きスペースにコンテナを設置する方法もあります。
・戸建て住宅の余剰スペース:大きな一軒家の使われていない部屋や、庭の一部なども小規模なトランクルームとして活用可能です。特にバイク用のトランクルームは1台分の小さなサイズからもあるので気軽にスタートすることができます。
・屋外の土地スペース:建物がない更地や駐車場の一角など、屋外スペースも有効活用できます。コンテナ型トランクルームの設置はもちろん、都市部では特にバイク駐車場としてのニーズが高まっています。マンションやアパートではバイク置き場が不足しがちで、月極のバイク駐車場を探している人は意外と多いのです。バイクコンテナ1台分のスペース(約1.5〜2平米)でも月額10,000円〜20,000円程度の収入が見込め、わずかなスペースでもお小遣い程度の収入が得られます。
|高まるバイクコンテナの需要
さらに注目すべきは、バイクコンテナの需要です。バイクユーザーは盗難やいたずら、風雨による劣化などセキュリティ面を非常に気にするため、屋外の平置き駐車場よりも、鍵付きの専用コンテナを好む傾向があります。バイクコンテナを一台設置すれば、エリアにもよりますが月額15,000円〜20,000円程度の収入も見込めます。初期投資としてコンテナ購入費(中古なら10万円台から)がかかりますが、1年程度で回収でき、その後は安定した収益源となります。特に大型バイクのオーナーは保管場所に困っているケースが多く、需要は堅調です。
|スペース選定のチェックポイント
空きスペースがトランクルーム運営に適しているかを判断するには、以下のポイントを確認しましょう。
・アクセス性:利用者が荷物を出し入れしやすい動線が確保できるか。エレベーターの有無、駐車スペース、搬入口の広さなどを確認します。
・セキュリティ:防犯カメラの設置が可能か、施錠設備を整えられるかなど、貴重品を預かるに足る安全性を確保できるかが重要です。
・環境条件::湿気やカビの発生リスク、温度変化の程度などを確認します。特に地下室や古い建物では注意が必要です。
・法規制への適合:建物の用途変更が必要かどうか、消防法などの規制に適合しているかを確認します。用途地域によってトランクルームを運営できないエリアもありますのでまず初めに確認することが必要です。
トランクルーム運営の始め方:ステップバイステップガイド
|ステップ1:市場調査と事業計画
まず、周辺地域のトランクルーム需要を調査します。近隣の既存施設の料金設定、稼働率、サービス内容などをリサーチしましょう。インターネットで検索するだけでも、かなりの情報が得られます。
次に、自分のスペースで実現可能な区画数と料金設定を考え、月間収益の見込みを立てます。同時に、初期投資額(改装費、設備費など)と運営コスト(光熱費、管理費、広告費など)を算出し、投資回収期間を計算します。
|ステップ2:法規制の確認と必要な手続き
トランクルーム運営には、いくつかの法的要件があります。
・建築基準法: 用途変更が必要な場合があります。100平米以下の小規模な場合は手続きが簡略化されることもあるので、専門家に相談しましょう。
・消防法: 消火器の設置、避難経路の確保など、防火対策が必要です。所轄の消防署に事前相談することをお勧めします。
・倉庫業法: 一般的な個人向けトランクルーム(レンタル収納スペース)は倉庫業法の対象外ですが、企業の商品保管など本格的な倉庫サービスを提供する場合は登録が必要になります。
・その他: マンション管理規約、賃貸契約の制限など、物件特有の規制も確認が必要です。
|ステップ3:スペースの改装と設備投資
法的要件をクリアしたら、実際のスペース作りに入ります。
・区画の設定: 利用者のニーズに合わせて、複数のサイズの区画を用意すると良いでしょう。一般的には0.5畳、1畳、2畳、3畳程度のバリエーションが人気です。
・パーティションの設置: 区画を仕切るための間仕切りを設置します。金属製の棚やパネルシステムなどが使われます。(屋外の場合はコンテナの設置が必要になります)
・セキュリティ設備: 防犯カメラ、入退室管理システム、各区画の鍵などを整備します。最近はスマートロックやセンサー式の入退室管理も普及しています。
・環境整備: 必要に応じて、除湿機、換気設備、照明などを設置します。トランクルーム利用者は設備情報を比較して見比べているため、なるべく使いやすい環境に整えることをおすすめします。
・案内表示: 区画番号、非常口、注意事項などの表示を設置します。
初期投資額は規模や設備のグレードによりますが、小規模なら100万円程度から、本格的に行う場合は500万円以上かかることもあります。ただし、既存のスペースを活用するため、新規建設に比べれば格段に低コストです。
|ステップ4:料金設定と契約条件の決定
競合調査を基に、適切な料金を設定します。一般的な相場は、都市部で1畳あたり月額10,000円から15,000円程度ですが、立地や設備によって大きく変動します。
また、契約条件も明確にしておきます。
・契約期間(最低利用期間の有無)
・初期費用(保証金、事務手数料など)
・支払い方法(銀行振込、クレジットカード、口座引き落としなど)
・禁止事項(危険物、生鮮食品、動物など)
・解約条件
利用規約は要点を抑えないとトラブル時に運営側が損をしてしまう可能性があるので、専門家にチェックしてもらい、できるだけトラブルを予防することが重要です。
|ステップ5:集客と運営開始
設備が整ったら、いよいよ集客です。
・オンライン集客: トランクルーム専門の比較サイトへの掲載、Googleビジネスプロフィールの登録、自社ウェブサイトの開設などが効果的です。
・オフライン集客: 周辺住宅へのチラシ配布、不動産会社への営業、看板設置なども検討しましょう。
・SNS活用: InstagramやFacebookで施設の様子を発信し、信頼感を醸成します。
マンション経営とは違い集客には時間がかかってしまいますが、口コミや評判が広がれば安定した稼働率が期待できます。
運営を成功させるポイント
|効率的な管理体制の構築
トランクルーム運営の大きな魅力は、日常的な管理の手間が比較的少ない点です。
・無人運営の実現: スマートロックや遠隔監視システムを導入すれば、完全無人での24時間営業も可能です。問い合わせ対応もメールや電話で対応できます。
・定期巡回: 週に1~2回程度の見回りで、清掃、設備点検、不正利用のチェックなどを行います。
・管理会社への委託: 自己管理が難しい場合は、トランクルーム管理専門会社に運営を委託する選択肢もあります。収益の一部(20~30%程度)を支払いますが、集客から日常管理まで一括して任せられます。
|差別化とサービス向上
競争が激化する中、他社との差別化が重要です。
・付加価値サービス: 荷物の配送受取代行、電源利用可能、提携運送業者の紹介など、独自のサービスを提供しましょう。
・清潔さと快適さ: こまめな清掃と適切な温湿度管理で、利用者に選ばれる施設を目指します。
・柔軟な契約条件: 短期利用プランや学生割引など、多様なニーズに対応することで稼働率を高められます。
|リスク管理
トランクルーム運営には、いくつかのリスクも伴います。
・保管物の破損・盗難: 利用規約で責任範囲を明確にし、利用者には保険加入を推奨します。施設側でも施設賠償責任保険に加入しておくと安心です。
・料金滞納: 契約時の身分確認を徹底し、クレジットカード決済や口座引き落としを導入することで、滞納リスクを減らせます。
・不正利用: 定期的な巡回と監視カメラにより、違法物品の保管などを防ぎます。利用者が寝泊まりしているということもあるので注意が必要です。
|長期的な資産価値向上
トランクルーム運営には、直接的な収益以外にもメリットがあります。
・物件全体の価値向上: 収益を生むスペースがあることで、物件の投資価値が高まります。
・相乗効果: マンションの場合、入居者向けの付帯サービスとして一部を提供することで、物件の競争力を高めることもできます。
・柔軟な転用: 将来的に他の用途に転用したくなった場合も、大きな改装なしで対応できる場合が多いです。

よくある質問と不安の解消
Q1:管理の手間はどのくらいかかりますか?
A:システム化次第ですが、週1程度の巡回と清掃、問い合わせ対応が主な業務です。完全委託も可能なので、本業を持つ方でも運営できます。
Q2:最低どのくらいのスペースから始められますか?
A:屋内であれば10坪程度から採算が取れるケースもあります。屋外であればバイク用のコンテナ一台から始められます。小さく始めて、需要を見ながら拡大する方法もお勧めです。
Q3:近隣に競合が多い場合でも大丈夫ですか?
A:むしろ競合が多いエリアは需要が高い証拠です。差別化と適切な価格設定で十分に勝負できます。
Q4:火災や水害などのリスクはどう対処すればいいですか?
A:施設賠償責任保険に加入し、利用規約で責任範囲を明確にします。また、利用者には各自で保険に入ってもらうよう推奨しましょう。
Q5:空室が埋まらないリスクはありませんか?
A:最初は稼働率が低くても、口コミや評判で徐々に上がっていくのが一般的です。立地が良く、料金が適切であれば、1年から2年で安定稼働することが多いです。トランクルームは競合も増えており、運営会社の方は複数の方法を組み合わせて集客を行っています。オフラインの集客だけでなくオンラインとも組み合わせるなど様々な工夫が必要です。
今すぐ始められる資産活用術
所有物件の空きスペースを活用したトランクルーム運営は、比較的低リスク・低コストで始められる魅力的なビジネスモデルです。増加する保管需要、安定した収益性、管理の手軽さという三拍子が揃っており、不動産オーナーにとって新しい収益の柱となる可能性を秘めています。
もちろん、市場調査、法規制への対応、適切な設備投資など、しっかりとした準備は必要です。しかし、これらは決して高いハードルではありません。多くの先行事例があり、ノウハウも確立されているため、一つずつステップを踏んでいけば、誰でも実現可能です。
眠っている空きスペースがあるなら、今がチャンスかもしれません。まずは所有物件を見回して、活用できるスペースがないか確認することから始めてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、将来の大きな収益につながるかもしれません。
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